統計学輪講(第13回)
日時 | 2018年7月17日(火) 14時55分 ~ 16時35分 |
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場所 | 経済学研究科棟 3階 第3教室 |
講演者 | 倉田 博史 (総合文化研究科) |
演題 | Some results on the core inverse of matrices and the core partial ordering |
概要 |
本報告では、一般逆行列の一種である core inverse に関する倉田の研究結果を紹介する。 よく知られる通り、 n×m 行列 A に対し、 AGA = A を満足する m×n 行列 G を A の一般逆行列と言う。 G は行列1次方程式の解として常に無数に存在する。 そのため、幾つかの部分クラスが研究されてきた。 代表的なものは、 GAG = G を満たすもの(反射型逆行列)、さらに AG と GA が直交射影行列となるもの(Moore-Penrose 逆行列)である。Core inverse は rank(A) = rank(A2) なる条件を満たす正方行列に対して定義され、Aの一般逆行列であって、 (1) AG が直交射影行列となり、 (2) G の列空間が A の列空間に含まれるというものであり、常に一意に存在する。 本報告では、 core inverse に関する幾つかの公式を取り上げ、それらの一般化を導く。 また、一般逆行列を用いて、行列の集合の上に半順序を定義することが出来る。 よく知られた rank additivity order も一般逆行列の言葉で記述することが出来る。 本報告では core inverse によって定義される半順序について述べた後、これに関する倉田の結果を紹介する。 |