統計学輪講(第16回)

日時 2018年10月16日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 経済学研究科棟 3階 第3教室
講演者 伏島 光毅 (経済学研究科M1)
演題 Nonparametric identification with discrete endogenous regressors using monotonicy (文献紹介)
概要

ノンパラメトリックな回帰モデルにおいて, 関心のある共変量が誤差項と独立とは限らない場合に counterfactual outcome (その共変量のとれる値がある値に限られたときの outcome)に関する興味のある母数について,その共変量のサポートが有限のケースの識別に関する研究を紹介する. 本発表では,monotonicity と呼ばれる仮定を置ける場合について,サポートが要素数2のケースの操作変数を用いた点識別に焦点をあてる. [1] で local average treatment effect (LATE) が,さらに [2] で outcome の分布が連続な場合に仮定をいくつか追加することで average treatment effect (ATE) と呼ばれる母数が点識別されることが示された. 本発表では,それらの識別の方法の大筋を,そのために置かれる仮定と共に紹介する.

参考文献:
[1] Angrist, J. D., & Imbens, G. W. (1994). Identification and Estimation of Local Average Treatment Effects. Econometrica, 62, 467–475.
[2] Vuong, Q., & Xu, H. (2017). Counterfactual mapping and individual treatment effects in nonseparable models with binary endogeneity. Quantitative Economics, 8(2), 589–610.