統計学輪講(第22回)
日時 | 2018年12月4日(火) 14時55分 ~ 15時45分 |
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場所 | 経済学研究科棟 3階 第3教室 |
講演者 | 伊藤 翼 (経済学研究科D3) |
演題 | 多変量小地域推定における信頼領域の構成 |
概要 |
サンプルサイズが小さく、標本平均が不安定になる問題を小地域推定問題という。 そこで、地域効果を変量効果として組み込んだ混合効果モデルをあてはめて得た model based estimator が小地域の推定量として用いられる。従来の小地域推定の研究は1次元の観測値に対するモデリングが主である。 しかし、貧困率と失業率などのように相関をもった多次元データが観測されたときは、それらを同一のモデルに組み込み、相関を考慮した推定量を構成することで予測精度が改善できる。 また、小地域推定量が公表される際には、その不確実性も併せて評価することが実務上重要視される。 多変量モデルの場合、平均二乗誤差行列や信頼領域がそれに該当するが、標準的な信頼領域の Coverage Probability は2次バイアスをもつことが知られている。 そこで、本発表では、集計データに対する多変量モデルを考え、そのモデルから誘導される経験最良線形不偏予測量 (EBLUP) とそのリスクの推定量を述べ、それらに基づいて、補正された信頼領域が closed-form で構成できることを紹介する。 |