統計学輪講(第23回)
日時 | 2018年12月11日(火) 14時55分 ~ 16時35分 |
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場所 | 経済学研究科棟 3階 第3教室 |
講演者 | 宇佐美 慧 (高大接続研究開発センター・教育学研究科) |
演題 | クロスラグパネル分析の近年の展開 ーモデルの利用動向・統合的表現・因果推論ー |
概要 |
複数の個人から収集された縦断データから変数間の変化の(因果)関係を検証するために、行動科学(e.g., 教育学・心理学・医学)における調査・観察研究を中心に頻繁に利用されている統計モデルにクロスラグモデル(cross-lagged model)がある。 中でも、代表的なものとしてクロスラグパネルモデル(CLPM)があるが、同様の分析目的で利用されているモデルは複数存在する。 また CLPM がいわゆる個人内変化(within-person)としての因果推論には不適切であるという指摘が近年複数の論文でなされており、クロスラグモデルに基づく因果推論は高い注目を集める研究テーマとなっている。 本発表では、近年の発表者の研究成果を基に、種々のクロスラグモデルの利用動向について説明したのち、概念的・数理的な観点からこれらのモデルの整理を行い、因果推論の観点から各モデルがどのような役割を担いうるかについて議論する。 また、実データ分析やシミュレーション研究などを通して、実際の応用研究におけるクロスラグモデルの適用上の諸問題についても併せて紹介する。 |