統計学輪講(第25回)
日時 | 2019年1月8日(火) 14時55分 ~ 16時35分 |
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場所 | 経済学研究科棟 3階 第3教室 |
講演者 | 松山 裕 (医学系研究科 公共健康医学専攻 生物統計学分野) |
演題 | 大規模臨床試験における因果治療効果の推定 |
概要 |
有効な薬剤や治療法の開発のためには、実際の患者さんを対象としたランダム化比較臨床試験が必須である。 標準治療構築、あるいはイベント発症をエンドポイントとした大規模長期試験では、計画通り試験が遂行されることは稀であり、例えば病態に依存した割付治療の交換(non-random non-compliance)や追跡途中での脱落(non-random drop-out)などランダム割付後のイベントによって真の治療効果を観察することができないことがよくある。 本発表では、因果構造モデルのひとつであるRPSFT(rank preserving structural failure time)モデルを用いて、ランダムでないノンコンプライアンスを補正した真の治療効果推定方法を紹介する。 特に、標準治療との非劣性を検証する場面ではこの方法は有用であることを紹介する。 |