統計学輪講 第4回

日時 2019年5月7日(火)
14時55分 ~ 15時45分
場所 経済学研究科棟 3階 第3教室
講演者 羽村 靖之 (経済学研究科D1)
演題 ポアソン分布やガンマ分布の母数の推定に関する話題
概要

発表の前半では、次の二つの話題を紹介する。

  1. 不均一なポアソン分布の母数のベイズ縮小推定に関する結果を紹介する。 不均一性の無い場合か、標準化された二乗損失を用いた場合には、 proper なベイズ推定量により標準的な推定量を改良できる場合があることが分かっている。 本発表では、不均一性がある場合に、カルバック・ライブラー損失の下で、 proper なベイズ推定量による改良結果を与える。
  2. 一次元のポアソン分布の上側から制約された母数の推定に関する結果を紹介する。 ポアソン分布の母数の値がある既知の正定数以下であるということが分かっている時に、標準的な事前分布に基づく推定量と、標準的な事前分布を制約された母数空間に truncate して得られる事前分布に基づく推定量を、比較する。 カルバック・ライブラー損失の下で、制約を反映した推定量が制約を反映しない推定量を改良するための十分条件と必要条件を与える。

発表の後半では、文献 [1] を紹介する。 ガンマ分布の形状母数と尺度母数の最尤推定量は、 closed-form の表現が与えられていないため、数値計算が容易とは限らない。 一方、 closed-form を持つようなモーメント推定量が知られているが、効率性の点で問題がある。 本発表では、一般化ガンマ分布の尤度関数に基づいて導出される、最尤推定量に近い性質をもつような closed-form の推定量について、紹介する。

[1] Ye, Z. S. and Chen, N. (2017). Closed-Form Estimators for the Gamma Distribution Derived From Likelihood Equations. The American Statistician, 71, 177–181.