統計学輪講 第11回
日時 | 2019年7月2日(火) 14時55分 ~ 16時35分 |
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場所 | 経済学研究科棟 3階 第3教室 |
講演者 | 荻原 哲平 (数理・情報教育研究センター) |
演題 | 拡散過程の非同期・ノイズ付観測モデルに対する最尤型推定法 |
概要 |
株式市場における一日内の全取引の情報を記録した「高頻度データ」の統計解析を行う際に,複数資産の観測時刻が一致しない「非同期観測」の問題と,観測にノイズが混入する「マーケット・マイクロストラクチャー・ノイズ」の問題が存在する. 本発表では,株価をパラメータ付拡散過程でモデリングし,それが非同期・ノイズ付観測された場合の未知パラメータの最尤型推定量を構築し, 漸近混合正規性や漸近有効性(漸近分散の最適性)等を議論する. まずはパラメトリック・モデルに真のモデルが含まれる場合の漸近論を扱い,その後,真のモデルが含まれない misspecified model における理論を扱う. また,日本株式市場の高頻度データに対してニューラル・ネットワークをパラメトリック・モデルとした時の株価構造の学習結果についても紹介する. |