統計学輪講 第15回
日時 | 2019年10月1日(火) 14時55分 ~ 15時45分 |
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場所 | 経済学研究科棟 3階 第3教室 |
講演者 | 高杉 遼太郎 (経済学研究科M1) |
演題 | The Matrix-F Prior for Estimating and Testing Covariance |
概要 |
J. Mulder and L. R. Perrichi (2018) を中心に紹介する。 ベイズ統計学では、パラメータの事前分布をデータによって更新し事後分布を求めるが、この事前分布の恣意性がしばしば問題となる。 このような文脈の中で登場してきたものが Objective Bayes という立場であり、パラメータに対する事前情報をできるだけ少なくとるような事前分布が提案されてきた。 このような事前分布として特に有名なものが Jeffreys (1961) のものであるが、特にスケールパラメータに対する事前分布に関して見てみると、近年では Gelman (2006) の half-t distribution や M. E. Peréz et. al. (2017) の Scaled Beta2 distribution などがある。 本論文ではこれらの分布を含み、かつ多次元の共分散行列に対する事前分布としても使えるような柔軟性の高い事前分布として “the matrix-variate F distribution (matrix-F)” を提案している。 この分布の諸性質を見たのち、推定や検定における振る舞いを既存の事前分布と比較している。
参考文献(一部) |