統計学輪講 第19回

日時 2019年11月5日(火)
15時50分 ~ 16時40分
場所 経済学研究科棟 3階 第3教室
講演者 髙橋 俊太 (情報理工学系研究科M1)
演題 因果モデルにおける実行可能解判定の代数的手法
概要

Ciaràn M. Lee, and Robert W. Spekkens (2017) [1] を紹介する。

因果推論においては因果関係を非巡回有向グラフで表し、観測値から識別可能性などを考慮し非巡回有向グラフの決定を行う流儀がある。

Lee ら [1] は、以上の状況において、観測値が2つ、かつ二値の場合に、潜在変数の数や作用に関して観察的同値なクラスを帰納的に構成し完全に決定する代数的手法を提案しており、 また観測的同値クラスごとに、同時分布がそのクラスのモデルから生じるための必要十分条件を導出し、このアプローチがどの因果パラメーターを識別可能かを決定することを示している。

参考文献
[1] Ciaràn M. Lee, and Robert W. Spekkens. “Causal inference via algebraic geometry: feasibility tests for functional causal structures with two binary observed variables” Journal of Causal Inference, Volume 5, Issue 2 (2017).