統計学輪講 第22回
日時 | 2019年12月3日(火) 15時50分 ~ 16時40分 |
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場所 | 経済学研究科棟 3階 第3教室 |
講演者 | 伏島 光毅 (経済M2) |
演題 | 内生性がある誤差項が非加法的な回帰モデルの下での処置効果の識別 |
概要 |
本発表では、近年経済学の実証研究で重要性が増している誤差項εが非加法的な回帰モデルY=g(T,X,ε)について、 離散型の説明変数Tの処置効果に関心があるが内生性がある場合の操作変数を用いた識別についての研究を紹介する。 実証研究では識別条件が経済モデル等を通して解釈可能であることが重要だが、先行研究[1]で示されている数量的な識別条件では困難である。 この点について、本研究では、Tが2値の場合における[2]の識別条件を拡張して、Tが3値(多次元)の場合における経済理論により成立の可否を確認できる識別条件を導出する。 また、提案する識別条件の下では、[1]が導出したモーメント条件に加えて、処置効果が観測可能な変数により陽に書き表せるため、プラグイン推定ができる。 参考文献 [1] Chernozhukov, V. and C. Hansen (2005): “An IV model of Quantile Treatment Effects,” Econometrica, 73, 245-261. [2] Q. Vuong and H. Xu (2017): “Counterfactual mapping and individual treatment effects in nonseparable models with binary endogeneity,” Quantitative Economics, 8, 589-610. |