統計学輪講 第5回

日時 2020年5月12日(火)
14時55分 ~ 15時45分
場所 Zoomオンライン開催(URLはシラバスまたは参加者メーリスをご確認ください)
講演者 渡邉 元和 (情報理工M2)
演題 被験者特性分布に歪正規分布を仮定した多次元項目反応理論
概要

下記の文献を紹介する。

項目反応理論とは、学力試験などのテストを作成したり評価したりする際に用いられる統計モデルである。このモデルは、各問題各個人に関する指標をそれぞれ含んだモデルとなっており、テストの結果からそれぞれを推定することで、各問題の性質や各個人の能力を捉えることを目的としている。
多くの項目反応理論の研究では、各個人に関する指標に正規分布を仮定したモデルが用いられてきたが、その仮定が成り立たない場合に誤解を招くような推定結果が得られることが指摘されていた。
本文献では、その問題を解決するため、被験者特性分布に歪正規分布を仮定したモデルを提案し、MCMCを用いたパラメータ推定方法を構成している。

Padilla, Juan L., Caio LN Azevedo, and Victor H. Lachos. "Multidimensional multiple group IRT models with skew normal latent trait distributions." Journal of Multivariate Analysis 167 (2018): 250-268.