統計学輪講 第9回

日時 2020年6月16日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 Zoomオンライン開催(URLはシラバスまたは参加者メーリスをご確認ください)
講演者 小田 秀匡 (情報理工D2)
演題 Eigenfunctions of the Leplace-Beltrami Operator and Superharmonic Shrinkage Priors
概要

昨年度の研究成果 [1] として、パラメータ空間上の Laplace-Beltrami 作用素の固有関数がベイズ予測分布の予測精度改善に果たす役割に関して解説する。特に、パラメータ空間上の Laplace-Beltrami 作用素の固有値負の固有関数が存在すれば、Jeffreys 事前分布を KL-損失に基づくリスクに関して漸近的に定数改善することを説明する。また、この事前分布の構成方法が α-並行事前分布と密接な関係を持つことを説明する。実際に、パラメータ空間上の Laplace-Beltrami 作用素の固有値負の固有関数を利用して構成した事前分布が α-並行事前分布になる例として、複素自己回帰モデルを紹介する。また、この事前分布が maximal data information prior になる可能性について紹介する。

説明手順
(1) Laplace-Beltrami 作用素の固有値負の固有関数を利用する縮小型事前分布の構成方法の紹介 [1]
(2) α-並行事前分布の紹介 [2]
(3) 複素自己回帰モデルの事前分布として (1), (2) を満たす事前分布の紹介 [1], [4]
(3) 上記 (3) で紹介した事前分布と MDIP (maximal data information prior) との関連の紹介 [3]

[1] Oda & Komaki 2020 [submitting], Shrinkage priors on complex-valued circular-symmetric autoregressive processe
[2] Takeuchi & Amari 2005, α-parallel prior and its properties
[3] Zellner 1977, Maximal data information prior distributions
[4] Grenander & Szeg ̈o 1958, Toeplitz forms and their applications