統計学輪講 第13回

日時 2020年7月14日(火)
14時55分 ~ 15時45分
場所 Zoomオンライン開催(URLはシラバスまたは参加者メーリスをご確認ください)
講演者 塘 由惟 (医学系研究科D1)
演題 経時反復測定を伴う臨床研究における隠れセミマルコフモデル
概要

てんかんの発作回数を経時反復測定したデータの解析では、その特徴を考慮するために個人間の変量効果を導入した隠れマルコフモデルが用いられる。その際、隠れ状態は潜在的な発作発生リスクを表現すると解釈される。発作の発生リスク状態は神経細胞における発作間てんかん状放電と呼ばれる異常放電の発生頻度と関連することが指摘されている。近年、発作間てんかん状放電の発生頻度は20から30日にわたる周期で変動していることが明らかとなり、周期的な機構の存在が指摘されている。従って、潜在リスク状態がマルコフ性に従うと仮定することは適切でない可能性がある。そこで本研究では、状態継続時間を自由にモデル化するために、隠れセミマルコフモデルの適用を検討する。
変量効果を導入した隠れセミマルコフモデルの推定において,モンテカルロEMアルゴリズムをもとにした効率的なアルゴリズムが提案されている。しかし、アルゴリズムは右側打ち切りを考慮した形で提案されたため、てんかんのような慢性疾患を扱うためには左側の打ち切りについても考慮する必要がある。さらに、観測系列のモデルについてカウントデータを扱うことができるようにするため一般化線形モデルへ対応する必要がある。そこで本研究では推定アルゴリズムの拡張を行い、モデル推定についてシミュレーション実験とてんかん実データへの適用により評価した。本発表では、アルゴリズム拡張方法、結果、および考察について報告する。