統計学輪講 第18回

日時 2020年10月27日(火)
14時55分 ~ 16時35分
場所 Zoomオンライン開催(URLはITC-LMSまたは参加者メーリスをご確認ください)
講演者 小池 祐太 (数理科学)
演題 NASDAQ-BATS取引所間のリード・ラグ関係のマルチスケール解析
概要

現代の金融市場では、1種類の銘柄に対する株式が複数の取引所で取引されることが普通である。この場合、同一銘柄に対して複数の価格がつくことになる。これら複数の価格は同一の資産に対するものであるからいずれは同じ値に収斂するはずであるが、超短期的には、市場参加者の投資行動のスピードの差や情報伝達の遅れなどの理由により、価格の収斂に時間差が生じる。このように生じる時間差(リード・ラグ関係)を解析することで、各取引所の市場参加者の違いや、どのような要素が時間差の大小に影響を与えるかということに関する知見を得ることができる。本講演では、2015年8月のNASDAQ100指数の構成銘柄のティックデータを用いて、NASDAQ取引所とBATS取引所の間のリード・ラグ関係を分析した結果を報告する。まず、Hoffmann, Rosenbaum and Yoshida (2013)による価格系列ベースの方法と、Dobrev and Schaumburg (2016)によるタイムスタンプベースの方法を適用し、両者で異なるリード・ラグ関係の存在が示唆されることを示す。次に、両者の違いを解釈するために、Hayashi and Koike (2018)で提案されたマルチスケールモデルを適用した分析結果を報告する。本研究は林高樹教授との共同研究である。