統計学輪講 第21回

日時 2020年12月8日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 Zoomオンライン開催(URLはITC-LMSまたは参加者メーリスをご確認ください)
講演者 岡本 亘 (情報理工M1)
演題 Stability and Price Scaling Limit of a Hawkes Process-based Order Book Model(Literature Review)
概要

 金融市場の技術的発展に伴い, 国内株式市場においてもコンピューターによる自動 取引が主流となった. 特に, 自動取引の中でもミリ秒・マイクロ秒単位で高速に取引 を行う「高頻度取引(High Frequency Trading: HFT)」と呼ばれる取引手法が盛ん になり, 市場の効率化に寄与している. 取引が高頻度で行われることによって, 価格 や取引量データの観測頻度も高くなり, それに合わせた分析手法が研究されている. 株式市場において, 注文の種類と取引価格・注文量等を時系列で記録したものは板情 報(Limit Order Book)と呼ばれ, 高頻度取引の文脈でも重視されている.  近年, Hawkes 過程と呼ばれる自己励起型点過程を導入して, 板情報を確率モデルで表現す るという研究が盛んに行われている. 多次元に拡張した自己励起型点過程によって金 融市場における取引の集中的な発生(クラスター)等が注文間の関係を明示的に記述 でき, 実務上有用である.
 本発表では, Abergel et. al (2013) を中心として, 多次元 Hawkes 過程を用いた 板情報のモデル化の例を提示し, モデルにエルゴード性を仮定することで価格の従う 確率過程が漸近的に Brown 運動に収束することを示す.

Aymen Jedidi, Frederic Abergel, 2013. “Stability and price scaling limit of a Hawkes process-based order book model,” Working Papers hal-00821607, HAL.