統計学輪講 第9回

二つの独立とは限らない確率変数の結合分布と対応する統計モデルとしてコピュラ(Copula)が存在する。コピュラの中で、独立分布とKLダイバージェンスの意味で一番近いものを最小情報コピュラ(Minimum information copula)という。最小情報コピュラに対する推定問題では、一般的に規格化定数と幾つかの関数(本発表では規格化関数と呼ぶ)の計算が必要となる。しかし、これらは計算が難しいことが多々ある。本発表では、最小情報コピュラに対して、規格化定数に依存しない推定を行う為のスコアを提案する。そして、最終目標である規格化関数によらない推定を行う為のスコアについて、現在の研究の方向を紹介する。