統計学輪講 第9回

日時 2021年6月15日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 Zoomオンライン開催(URLはITC-LMSをご確認ください)
講演者 岡野 遼 (経済M2)
演題 最大射影型Wasserstein距離に対する統計的推測
概要

発表者が現在行っている研究の途中経過を報告する。
Wassetstein距離とは、最適輸送の考えに基づく確率分布間の距離であり、近年統計学や機械学習の分野で強い関心が持たれている。この距離は優れた性質を持つものの、データから距離を推定する際に次元の呪いを受けることが知られており、近年この距離の様々な改良版が提案されている。
本研究では、[1]などで提案されている最大射影型のWasserstein距離に注目し、その推測法を提案することを目標とする。この距離はデータの次元に依存せずに推定が可能であるが、その推測法は明らかになっていない。発表では、射影の次元が一次元の場合に限定して、Wasserstein距離の分位点表現を用いて信頼区間の構成が可能なことを報告する。

参考文献:
[1]Paty,F.-P.& Cuturi,M.(2019), Subspace Robust Wasserstein Distances, in ‘Proceedings of the 36th International Conference on Machine Learning’, pp. 5072–5081.