統計学輪講 第11回

日時 2021年6月29日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 Zoomオンライン開催(URLはITC-LMSをご確認ください)
講演者 伏島 光毅 (経済D2)
演題 回帰不連続デザインにおけるマニピュレーションを検出する同時検定
概要

回帰不連続デザインは、実証分析で処置(または介入)を表す2値の変数の値が別の 変数Xがある閾値を超えるか否かで決まる状況を表す統計モデルで、内生性があって も適当な仮定の下で閾値付近の局所的な平均処置効果を推定できることから社会科学の幅広い分野で用いられる。
必要となる仮定の妥当性の検定として、Xの確率密度関数と処置の事前に値が決まる 変数ZのXにおける条件付き期待値の2つについて閾値付近の連続性の検定が用いられるが、同じ実証例でも分析により検定結果が大きく異なっており、政治学では議論の的となっている。多くの実証分析では2つの検定が別々に行われてきたが、最近の理論研究から、2つの検定を同時に行わないとXの値に何らかの操作が加わっている場合にこれをうまく検出できないことが示唆されており、本研究ではこれら2つの同時検定を構築する。有限標本におけるパフォーマンスも確認する。
本研究は石原卓弥先生(東北大学)と澤田真行先生(一橋大学)との共同研究であ る。