統計学輪講 第17回

近年の計測器や計算機の著しい発展により、経済学をはじめとする様々な分野において高次元データが取得可能になっている。一方で、このようなデータを古典的な多変量解析を用いて分析するためには膨大なパラメータが必要となり、データから価値ある情報を抽出する上で大きな障害となっている。こうした問題点を解決する有望な方法論として関数データ解析がある。
しかし、既存手法ではトレンドを柔軟に推定できないことや予測分布や信用区間を用いた推定結果の不確実性評価はできないことが課題として挙げられる。
本発表では、それらの課題を解決するような、柔軟なトレンド推定を可能にするベイズモデルを紹介する。検討中の課題として、欠損データや空間データへの応用についても議論する。