統計学輪講 第20回

我が国においては医療費の高騰が続いており、平成30年度においては、43兆を超えるまでになっている。人口高齢化や医療・高度化によってさらにこれらが急増することが予想される。これに対応するためには、医療資源の効率的な利用が必要不可欠である。
本報告では、生活習慣病の代表である高血圧・糖尿病に関して大規模健診およびレセプト・データを用いて分析を行う。高血圧・糖尿病はそれ自体が重要な疾病である他、各種の重大な合併症をもたらすことが知られている。一方、これらは、習慣の改善等によって重症化・深刻な合併症を防ぐこと可能であることが報告されている。ここでは、大規模な健診データおよびレセプト・データを用いてこれらの傷病に関する分析を行った。
さらに、現在、労働者のメンタル・ヘルスに関する問題が重要となっている。本報告では、ある企業と共同で行ったこの問題の分析の初期の結果について述べる。
なお、私事でまことに恐縮であるか、この発表は発表者の東大における統計輪講の最終発表である。