統計学輪講 第24回

日時 2021年12月21日(火)
14時55分 ~ 16時35分
場所 Zoomオンライン開催(URLはITC-LMSをご確認ください)
講演者 岡田 謙介 (教育)
演題 認知診断モデルにおける変分ベイズ推定
概要

認知診断モデル(cognitive diagnostic models)は診断分類モデル(diagnostic classification models)とも呼ばれる、制約付き潜在クラスモデルとして定式化される統計モデルである。その心理・教育測定における主要な応用目的は、テスト解答データに基づいて解答者の認知的スキル習得状態を推定し、これをさらなる学習改善に役立てることである。このモデルにおけるベイズ推定に際してはマルコフ連鎖モンテカルロ法が広く活用されている。しかし計算量の問題があり、大規模データに対応するためにスケーラブルな推定法が求められる。そこで本発表では、変分近似による高速な変分ベイズ推定を、パラメータとモデル構造の推定のために活用する我々の研究を紹介する。

参考文献:
Yamaguchi, K., & Okada, K. (2020). Variational Bayes inference for the DINA model. Journal of Educational and Behavioral Statistics, 45(5), 569-597. https://doi.org/10.3102/1076998620911934
Yamaguchi, K., & Okada, K. (2020). Variational Bayes inference algorithm for the saturated diagnostic classification model. Psychometrika, 85(4), 973-995. https://doi.org/10.1007/s11336-020-09739-w
Oka, M., & Okada, K. (2021). Scalable estimation algorithm for the DINA Q-matrix combining stochastic optimization and variational inference. arXiv Preprint. http://arxiv.org/abs/2105.09495