統計学輪講 第5回

今回の発表者は新任教員であるので、自己紹介も兼ねて、これまでの研究成果と現在の研究課題を概説的に発表する。特に、発表者の主な研究分野であるグループ化・クラスタリング法に関する研究を紹介する。近年、機械学習手法の経済学への応用が進んでいる。機械学習手法は様々ある中で、これまでに計量経済学において理論研究も応用研究も比較的少なく、その一方でこれからの発展が期待できるのは、教師なし学習の一つであるクラスタ解析である。発表者は、クラスタ解析をパネルデータ分析に応用するための理論的基礎づけならびに経済のパネルデータ分析に適した統計手法の研究を行ってきた。特に、クラスタ解析における統計的推測の方法と、構造変化がある場合のクラスタリング法の研究が、主な研究成果である。現在は、操作変数法におけるクラスタリング法の応用法の研究を行っている。この発表では、計量経済学でのパネルデータ分析において、グループ化・クラスタリング法が、どのように有用であるかの解説から始め、発表者のこれまでの研究ならびに現在の研究課題について解説を行う。