統計学輪講 第8回

日時 2022年06月14日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 ハイブリッド開催
講演者 伏島 光毅 (経済D3)
演題 時点数が少ないパネルデータモデルにおける処置効果の識別及び推定
概要

本発表では、パネルデータを用いた政策及び介入の処置効果の識別及び推定方法に関する現在進行中の研究について紹介する。
社会科学の実証分析において多く指摘される内生性の問題について、パネルデータの特性を活かして問題を回避する推定手法が多く研究されている。ここで、差分の差分法などの多くの基本的な推定手法は個体効果が時間を通じて変化しないモデルを前提とするが、そのようなモデルでは表せない状況が現実には多く存在する。
本研究では、個体効果が時間を通じて変化し得るモデルについて、パネルデータの時点数が少ない場合にも適用できる処置効果の識別及び推定方法の提案を目指す。合成コントロール法など、同様のモデルにおいて近年多く提案されている推定手法は、時点数が十分多い場合に妥当な手法が多い。本発表では、時点数が少ないが個体数は十分多い場合に適用可能な推定方法について、現在得られている結果を報告する。