統計学輪講 第24回

日時 2023年01月10日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 ハイブリッド開催
講演者 桝田 陸 (経済M1)
演題 Bayesian Predictive Synthesisの基礎付けと応用
概要

Bayesian Predictive Synthesis(BPS)は、複数の予測分布を合成して一つの予測分布を構成する様々な予測統合法に対して、それを統合関数(Synthesis function)のデザインという枠組みから理解が可能であることを示した包括的なフレームワークであり、いくつかの統合関数については良い予測を与えることが経験的に知られている。
BPSのフレームワークにおいて統合関数は分析者が任意に設定可能であるが、その理論的な背景を理解するために、本発表の前半では[1]および[2]に従いBPSの導出を行い、意思決定者が複数のエージェントにより提出される確率分布を参考にして自分の予測分布を更新するという文脈でBPSが正当化されることを確認する。また、後半では応用例の一つとして時系列分析の文脈におけるBPSを紹介する。

[1] Genest, Christian, and Mark J. Schervish. "Modeling expert judgments for Bayesian updating." The Annals of Statistics (1985): 1198-1212.
[2] West, Mike, and Jo Crosse. "Modelling probabilistic agent opinion." Journal of the Royal Statistical Society: Series B (Methodological) 54.1 (1992): 285-299.