統計学輪講 第10回

いくつかの単純な設定においては、統計的推論・学習の結果は統計力学のレプリカ法を用いることで精密に解析することができる。ここで、精密という言葉は汎化誤差などの量について、値をぴったり予想するという意味である。本講演ではまず古典的な平均場理論による精密解析の例を紹介し、それがレプリカ法によっていかに導かれるかをレビューする。その後、レプリカ法を階層的に利用することによってブートストラップ法や疑似ラベルに基づく半教師あり学習などの発展的設定での推論・学習の解析が可能となることを紹介する。