統計学輪講 第15回

日時 2023年10月03日(火)
14時55分 ~ 15時45分
場所 経済学部新棟3階第3教室
講演者 河村 凌平 (情報理工M1)
演題 Lasso推定量の連続化アプローチ(文献紹介)
概要

LassoはL1ノルムによる正則化のもとでスパースな変数選択を行う推定量である.Lassoが用いられる信号復元などの領域のうち,超解像のように一部のタスクでは計画行列が連続演算子の離散化近似となっている.このとき,空間の細かい離散化による計画行列の条件悪化がLassoを数値的に解く際の不安定化を引き起こす.これを避けるためにLassoを無限次元の最適化問題として拡張したBeurling Lasso (Blasso)が提案されており,Blassoが与える解や推定量の性質,効率的な数値解法などが研究されている.
本発表では,Blassoとその性質について説明し,BlassoのStein's unbiased risk estimator (SURE)やDegrees of freedomを陽に計算可能な公式を与えた文献[1]の内容を紹介する.また,LassoとBlassoの振る舞いに本質的な違いがあるか,という観点のもと実施した数値実験の結果を報告する.

[1]Clarice Poon and Gabriel Peyré (2022), "Degrees of freedom for off-the-grid sparse estimation," Bernoulli, 28(3), 2095-2121.