統計学輪講 第22回

日時 2023年12月12日(火)
14時55分 ~ 16時35分
場所 経済学部新棟3階第3教室 及び Zoom
講演者 奥戸道子 (情報理工)
演題 ベイズ法に現れる推定量の漸近的な性質に関する最近の研究
概要

本発表では、次の2つの話題について最近得られた結果を紹介する。

1. 事後平均とMAP推定量を漸近的に一致させる事前分布のペア:MAP推定量と事後平均はベイズ法でよく用いられる推定量であるが、本研究ではこの2つが漸近的に一致する事前分布のペアを求める。ペアの密度が満たす条件を導出し、一般化線形モデル(GLM)を含むe-flatモデル・e-affineパラメータではそれが簡単な形で書けることを紹介し、いくつかの解析的な例と数値的な例を紹介する。

2. 非線形回帰および一般化線形モデルへのベイズ拡張推定量の応用:非線形回帰、特に地震学・測地学における逆問題について、手法の損失関数にプラグインする推定量としてベイズ拡張推定量[1]を適用する。モデルの事後平均やMAP推定量を損失にプラグインした場合、モデルの曲率(埋め込み平均m-曲率)の影響を損失が受けることを観察する。またカノニカルリンクを用いたGLMで、ある事前分布にもとづく事後平均を漸近的に優越するようなベイズ拡張推定量を事前分布を動かすことで構成する。

これらの研究は統計数理研究所の矢野恵佑氏との共同研究である。

参考文献: [1] M. Okudo and F. Komaki (2021). Bayes extended estimators for curved exponential families. IEEE Transactions on Information Theory, vol. 67, pp. 1088−1098.