統計学輪講 第03回

日時 2024年04月23日(火)
14時55分 ~ 16時35分
場所 経済学部新棟3階第3教室
講演者 荻原 哲平 (情報理工)
演題 ジャンプ拡散過程における局所漸近正規性と漸近有効推定
概要

パラメトリックなジャンプ拡散過程モデルの局所漸近正規性(LAN)を研究する。ジャンプ型拡散過程はファイナンスにおいて、株価モデルや保険会社の資産推移のモデルとして用いられる。株価の急激な変動をモデル化できることに加え、オプションの市場価格へのフィッティングが拡散過程よりもよいというメリットがある。
LANを示すことによりパラメータ推定における漸近分散の下限が与えられ、パラメータ推定量の最適性を議論できる。Jeganathan(Sankhya Ser. A 1982)において推移確率密度関数の評価を用いないLANの十分条件が研究されており、このアイディアを用いるが、Jeganathanの十分条件は、ジャンプ拡散過程には適用できない期待値評価を含む。したがって、Jeganathanの十分条件を条件付き期待値の条件に弱め、ジャンプ拡散過程に適用可能とすることでこのモデルのLANを示す。
さらに、ジャンプ拡散過程モデルにおいて、Shimizu and Yoshida (SISP 2006)の最尤型推定量やOgihara and Yoshida (SISP 2011)のベイズ型推定量が漸近分散の下限に達し、したがってこのモデルにおいてこれらの推定量が漸近有効となるという結果を紹介する。