統計学輪講 第06回

日時 2024年05月21日(火)
14時55分 ~ 15時45分
場所 経済学部新棟3階第3教室 および Zoom
講演者 松下 謙太郎 (経済M2)
演題 ランク 2 以上以上のランダムテンソルの Spiked model の解析
概要

本発表では、ランダムテンソルの Spiked model の解析に関する自身の研究について 発表する。
ランダム行列理論(RMT)における Spiked model では、シグナルに対してノイズが混入した行列に対して、シグナルが十分な精度で取り出せるようなシグナル対ノイズ比(SNR)等が研究されてきた。一方で、それらの行列での結果は簡単にテンソルに対して適用できるものではなかった。[1] ではテンソルのランクが 1 の場合に限り、テンソルに対して変換を施すことで対称行列に関する RMT を適用できる形にし、シグナル比等についての解析を行うことに成功した。
本研究ではこの手法を発展させ、ランク 2 以上の場合でも一定の条件下で同様の結果が従うことを示す。

[1] Mohamed El Amine Seddik, Maxime Guillaud, and Romain Couillet. "When Random Tensors Meet Random Matrices." Ann. Appl. Probab. 34 (1A) 203-248, 2024. https://doi.org/10.1214/23-AAP1962