統計学輪講 第11回

日時 2024年07月02日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 経済学部新棟3階第3教室 および Zoom
講演者 河村凌平 (情報理工M2)
演題 潜在変数モデルに基づくグラフ埋め込み手法(文献紹介)
概要

グラフで表現されるデータをベクトル表現に変換すること(埋め込み)は、これらのデータに統計的手法を適用する際に重要である。グラフデータに対するカーネル法は、埋め込みの観点からは潜在的にベクトル表現を選ぶ手法であるといえる。既存のカーネル法においてはデータ点の個数の二乗に比例する計算量や、訓練データをベクトル表現の選択に利用できていない、といった課題があり、データ数の増加に伴って問題が生じる。
これに対し、グラフニューラルネットワーク(GNN)を用いたグラフ埋め込み手法であるstructure2vec[1]が提案されている。structure2vecは潜在変数モデルに基づく手法で、GNNを用いることで統計モデルの具体的な構成を回避しつつ訓練データを埋め込み表現の学習に利用することを可能にしている。
本発表ではstructure2vecの構成について説明し、GNNにおける本手法の位置づけや数値実験の結果について紹介する。

参考文献:
[1]Dai, Hanjun, Bo Dai, and Le Song. "Discriminative embeddings of latent variable models for structured data." International conference on machine learning. PMLR, 2016.