統計学輪講 第14回

日時 2024年10月08日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 経済学部新棟3階第3教室 および Zoom
講演者 畝矢 寛之 (経済M1)
演題 Pólya-Gamma 拡大を用いたDynamic Logistic Modelの逐次推定
概要

0または1のみをとる二値変数は、データとして観測されるのみならず、複雑なモデルの構成要素としても広く用いられる。これに対してよく適用される手法にロジスティック回帰があり、近年[1]によって Pólya-Gamma 拡大を用いてギブズサンプリングが可能であることが示された。しかしながら時系列データが高頻度に観測される場合には、データを得るたびにMCMCを行うことが計算コストの観点から望ましくないため、逐次的な推定手法が求められる。

本発表では時系列データとして二値変数が観測される場合に、Pólya-Gamma 拡大を用いて動的ロジスティック回帰の逐次推定を行う手法を提案する。発表ではサンプリングのアルゴリズムの概要や、数値実験の結果を紹介する。本発表は入江薫先生との共同研究の内容に基づく。

[1] N. G. Polson, J. G. Scott, and J. Windle, “Bayesian Inference for Logistic Models Using Pólya–Gamma Latent Variables”, Journal of the American Statistical Association, vol. 108, no. 504, pp. 1339–1349, Dec. 2013.