統計学輪講 第26回

日時 2025年01月21日(火)
14時55分 ~ 15時45分
場所 経済学部新棟3階第3教室 および Zoom
講演者 澤谷 一磨 (経済D1)
演題 線形順位回帰の高次元漸近理論
概要

順位統計量に基づく線形回帰モデルの推定量は、低次元の設定においては追加の調整パラメーターなしに高いロバスト性を持つことが知られている。すなわち、幅広い誤差分布に対して推定量の漸近分散が他の推定量と比較して大きくなり過ぎない。一方で、サンプルサイズと説明変数の次元が同程度に大きい状況(比例的高次元)においては、推定量の漸近分散はサンプルサイズと次元の比の極限で統御される非線形連立方程式の解として与えられ、非自明な挙動を示すことが知られている。

本発表では、比例的高次元において残差のGini's mean difference最小化と同値な線形順位回帰推定量の漸近分散を特徴付けるとともに、最小二乗推定量や最小絶対値推定量との漸近相対効率性を比較する。