統計学輪講 第05回

日時 2025年05月13日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 経済学部新棟3階第3教室 および Zoom
講演者 畝矢 寛之 (経済M2)
演題 Pólya-Gamma 拡大を用いたDynamic Logistic Modelの逐次推定
概要

0または1のみをとる二値変数は、データとして観測されるのみならず、複雑なモデルの構成要素としても広く用いられる。これに対してよく適用される手法にロジスティック回帰があり、近年[1]によって Pólya-Gamma 拡大を用いてギブズサンプリングが可能であることが示された。しかしながら時系列データが高頻度に観測される場合には、データを得るたびにMCMCを行うことが計算コストの観点から望ましくないため、逐次的な推定手法が求められる。

本発表では時系列データとして二値変数が観測される場合に、Pólya-Gamma 拡大を用いて動的ロジスティック回帰の逐次推定を行う手法を提案する。発表ではサンプリングのアルゴリズムの概要を紹介し、その性能について理論的な考察を提供する。また数値実験によって類似手法との比較を行う。 本発表は入江薫先生との共同研究の内容に基づく。

[1] N. G. Polson, J. G. Scott, and J. Windle, “Bayesian Inference for Logistic Models Using Pólya–Gamma Latent Variables”, Journal of the American Statistical Association, vol. 108, no. 504, pp. 1339–1349, Dec. 2013.