統計学輪講 第14回

日時 2025年10月07日(火)
14時55分 ~ 15時45分
場所 経済学部新棟3階第3教室 および Zoom
講演者 姚 雯亭 (情報理工M2)
演題 ベイズ予測分布を用いたポートフォリオ選択
概要

最適ポートフォリオ選択の分野では、Markowitzモデルが、リターンとリスクのバラ ンスをとる基本的な方法として広く知られている。Markowitzモデルを用いるために は資産リターンの平均・分散パラメータをデータから推定する必要が生じる。 単純な標本平均と標本分散による推定では、最適ポートフォリオの見通しが過度に楽 観的となり、結果としてsuboptimalな解を導くことが指摘されている。そこで本発表 では、ベイズ予測分布によってパラメータの不確実性を考慮した最適ポートフォリオ 選択を考える。右不変事前分布などによるベイズ予測分布が、先行研究で用いられて いるJeffreys事前分布と比べてより良い結果を出すことを、数値実験と実データ実験 によって確認した。
[1] Bauder, D., Bodnar, T., Parolya, N., & Schmid, W. (2021). Bayesian mean-variance analysis: optimal portfolio selection under parameter uncertainty. Quantitative Finance, 21(2), 221-242.
[2] Eaton, M.L. (1989). Group Invariance Applications in Statistics. IMS, Hayward, California