| 概要 |
本報告では、パラメータに関する事前情報(間接情報)を活用することで、第一種過誤を厳密に制御しつつ検出力を向上させる検定手法「FAB
(Frequentist, Assisted by Bayes) 検定」について、Hoff
(2022)および Bryan and Hoff (2023) を中心に紹介する。 標準的な頻度論的検定はパラメータに対する事前情報を用いないが、FAB検定では事前分布のもとでの平均検出力を最大化するように検定関数を構成する。この手法により導出されるFAB
p値は、間接情報が正確な場合には通常のp値よりも小さくなり(検出力の向上)、間接情報が不正確な場合でも頻度論的な妥当性(Type
I errorの 制御)を失わないという性質を持つ。 また、本手法の応用として、大規模なゲノムデータを用いた解析例を紹介する。具体的には、遺伝子や細胞株の特徴をテンソル因子分解によって抽出し、それを
Linking
Modelを通じて小規模実験の解析における間接情報として組み込むことで、
CRISPRスクリーニングやドラッグリポジショニングにおける発見の精度が向上したことを紹介する。
[1] Hoff, P. D. (2022). Smaller p-Values via
Indirect Information. Journal of the American Statistical
Association, 117(539), 1254–1269.
[2] Bryan, J.
G., & Hoff, P. D. (2023). Smaller p-values in genomics studies
using distilled auxiliary information. Biostatistics, 24(1),
193– 208.
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