統計学輪講 第4回
| 日時 | 2026年04月28日(火) 14時55分 ~ 15時45分 |
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| 場所 | 経済学部新棟3階第3教室 |
| 講演者 | 佐々木 景友 (経済M2) |
| 演題 | Tree-Embedded Bayesian Factor Models for Multidimensional Categorical Distributions |
| 概要 |
複数の情報源から得られたデータを階層モデルに基づいて解析し、共通構造および異質な構造を推定することは、ベイズ推論における重要な課題である。この課題に対し、ベイズ因子モデルは広く用いられている代表的手法の一つである。本研究では、複数の観測分布を低次元の潜在構造によって簡潔に表現する、新しいベイズ潜在因子モデルを提案する。 提案モデルは、主に社会科学における分布データに対する応用を想定している。具体的には、地域ごとに観測される年齢構成分布や所得分布などが挙げられる。このようなデータにおいては、分布間に明確なクラスタ構造が存在するとは限らないため、標準的な混合モデルは必ずしも十分に機能しない。そこで、分布のパラメータをユークリッド空間へ埋め込む木構造に基づく変換を導入し、変換後の空間上でベイズ潜在因子モデルを構築する。これにより、より複雑な構造を持つ階層モデルへの拡張も容易になる。その一例として、本研究では同時自己回帰(simultaneous autoregressive: SAR)モデルに基づく事前分布を導入し、空間相関を考慮した拡張を行う。 提案モデルは、観測分布に対して特定のパラメトリックな仮定を課さないという意味で、ノンパラメトリックなモデルである。また、事後分布の一致性(posterior consistency)を満たすという理論的妥当性が保証される。東京都心部の人口データを用いた実データ解析を通じて、標準的なディリクレ混合モデルに対する提案手法の優位性を実証する。 本研究は、粟屋直先生(早稲田大)、小林弦矢先生(明治大)、菅澤翔之助先生(慶應大)との共同研究に基づく。 Awaya, N., Sasaki, K., Kobayashi, G., & Sugasawa, S. (2026). Tree-Embedded Bayesian Factor Models for Multidimensional Categorical Distributions. arXiv preprint arXiv:2603.02502. |