研究紹介(学生向け)

興味を持って取り組んでいる研究課題を大雑把に紹介します. 他の研究テーマももちろん歓迎です. 2016年5月
  1. ホロノミック勾配法
    方向統計学で用いられる統計モデルには,解析的に計算できない高次元の積分がしばしば現れます.そのような場合でも,ホロノミック関数というクラスであれば,積分のための計算量が軽減される場合があります.この方法(ホロノミック勾配法)を具体的な統計モデルに適用し,その性質を調べています.
  2. 最適輸送を用いた統計モデル(勾配モデル)
    統計モデルに現れる「積分」を避けるためのもう一つの考え方として,変数変換を用いるというアイデアがあります.特に最適輸送写像という変数変換を用いると,比較的計算しやすい統計モデルが得られることを示しました.ただし,モデルを解釈しにくいという欠点もあり,その可能性と限界を調べています.
  3. 不均衡データと変形指数型分布族
    不均衡データとは,2値判別の問題において正例と負例の割合が極端に異なるようなデータを指します.このようなデータに対して二項回帰モデル(ロジスティック回帰を含む)を用いる場合,極限として変形指数型分布族と呼ばれる分布族が現れることを示しました.変形指数型分布族は,統計物理や情報幾何の分野と関連があります.